九州の味とともに 冬

この料理の"味のキーワード"

下ごしらえ

ぬめりと独特な香りを落とし、味わいを深めるため、さばいて開いたドジョウを塩揉みして水洗いした後、下ゆでして洗う

味付け

煮汁はカツオ出汁、日本酒、ミリン、濃口醤油を合わせたもの。通常の煮物の煮汁よりもやや濃いめの味付けにしているとのこと

作り方

土鍋にささがきしたゴボウとドジョウを入れ煮汁で煮込む。溶き卵を入れ、煮立ったらさらに溶き卵を加え、ミツバをのせてできあがり

語り 柳川藩主立花邸 御花 岸原義輝の「柳川鍋」

岸原義輝さん

元文3年(1738年)、柳川藩五代藩主・立花貞俶(たちばなさだよし)は、家族との和やかな時間を過ごすために屋敷を作った。その地が御花畠(おはなばたけ)と言われていたことから、人々は『御花(おはな)』と呼ぶようになった。そして、十四代当主・寛治(ともはる)は明治42~43年(1909~1910年)に迎賓館としての洋館と和館の大広間を整えた。これが今に続く『柳川藩主 立花邸 御花』の略歴だ。
池庭『松濤園(しょうとうえん)』は昭和53年に国の名勝に指定され、平成23年に御花の全敷地が『立花氏庭園』として改めて国の名勝に指定された。この歴史ある雰囲気の中にある食事処で、『鰻のせいろ蒸し』や『柳川鍋』など、柳川の郷土料理を食べることができる。

国指定名勝『立花氏庭園』内にある『松濤園』(しょうとうえん)
敷地の一角にあるモダンな雰囲気の西洋館

「特に観光の方は鰻を食べられる方が多いですが、ドジョウを食べに来られる方もけっこう多いですよ。好奇心旺盛な方に食べていただいているのだと思います(笑)」。『柳川鍋』について総料理長・岸原義輝(きしはら よしてる)さんにお話をうかがった。
「『柳川鍋』は江戸時代に江戸から始まった鍋料理と言われていますが、関東では、ドジョウをまるごと使うこともあるようです。頭付きの料理もありますね。けれど、柳川では、頭や尾の部分を落とし、開いたドジョウを使っています」。
下ごしらえとして、生きたドジョウの泥抜きをし、内臓を取り除き、骨を外し、開く。1kg仕入れてもさばいた後の身は500g程度と、約半分になってしまうのだそう。

活きドジョウ

「塩で揉み、よく水で洗ってぬめりと独特の臭みを取り除かなければなりません。ドジョウは水田の下に潜っていますからね。ぬめりは鰻のほうが強いですから、鰻よりは扱いやすくはあります。ぬめりで言うと、ムツゴロウもぬめりが強いですよ(笑)。ドジョウの体長は10cmくらいと小さいですから、下ごしらえは面倒な仕事ですね」。

さばいて開いたドジョウ

開いたドジョウは、カツオ出汁で煮た後、水で洗い、細かい部分を切る。土鍋にささがきしたゴボウを入れ、その上に背の部分を下にして開いたドジョウを並べ、煮汁を注ぐ。煮汁はカツオ出汁、日本酒、ミリン、濃口醤油を合わせたものだ。火にかけて熱が通ってきたら溶き卵を入れて一煮立ちさせる。さらに仕上げの溶き卵を回し入れ、ミツバをのせてできあがりだ。

開いたドジョウを湯通しする
土鍋にささがきしたゴボウとドジョウを入れ、煮汁を注ぐ
熱くなってきたら溶き卵を加える
仕上げの溶き卵を入れ、ミツバをのせる

やわらかな身を卵がふんわりと包みこみ、味わいは上品な甘辛さ。泥臭さもなく、ドジョウの旨味も感じられる。
「私たちは、食べやすいようにドジョウをよく洗ってぬめりや香りを落としていますが、その独特な香りやぬめりが美味しいという、通の方もいらっしゃるんです。稀に『あんまりきれいに洗わなくていいよ』と言われることもありますよ(笑)。ドジョウは、冬は田んぼの下に潜って春を待ちます。一年中食べることができますが、田んぼの下に潜る直前は脂がのっていて特に美味しいですね」。
柳川と言えば『鰻のせいろ蒸し』が有名なのは間違いないが、『柳川鍋』でドジョウを味わうのも、おもしろい旅の記憶となるはずだ。

ミツバと卵の彩りもきれいな『柳川鍋』

この料理人こだわりの「味のキーワード」

下ごしらえ

ぬめりと独特な香りを落とし、味わいを深めるため、さばいて開いたドジョウを塩揉みして水洗いした後、下ゆでして洗う

味付け

煮汁はカツオ出汁、日本酒、ミリン、濃口醤油を合わせたもの。通常の煮物の煮汁よりもやや濃いめの味付けにしているとのこと

作り方

土鍋にささがきしたゴボウとドジョウを入れ煮汁で煮込む。溶き卵を入れ、煮立ったらさらに溶き卵を加え、ミツバをのせてできあがり

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柳川藩主立花邸 御花(おはな) 美しい名庭を見ながら柳川の味を

四方を堀割に囲まれた7,000坪の国指定名勝「立花氏庭園」。敷地内には食事処・料亭・史料館などがあり、日本庭園『松濤園』を眺めながら、優雅な気分で鰻料理や柳川の郷土料理を楽しめる。『柳川鍋』は、ドジョウのぬめりと独特な香りをよく洗って取り除いてさばき、カツオ出汁で煮た後、特製のツユで煮込み、溶き卵を合わせた上品な味わいだ。

『柳川鍋』1010円は、ダイニング「集景亭」で夜のみ食べられる。レストラン対月館では『柳川鍋定食』1944円を食べられる
『うな茶』1069円は蒲焼きのタレ、ほうじ茶、梅干しなどと合わせて炊いたウナギの佃煮に八女の緑茶をかけて食べるお茶漬け ※ダイニング「集景亭」で夜のみ食べられる
『すっぽんの土瓶蒸し』。料亭「集景亭」で食べられる懐石料理(5940円〜)の一品
当時は殿様の居室だった料亭個室の『松の間』

柳川藩主立花邸 御花(おはな)

住所 柳川市新外町1(立花氏庭園内)
電話 0944-73-2189
営業 ダイニング「集景亭」
 11:00~15:00(OS14:30)、
 17:00~21:00(OS20:00)
料亭「集景亭」
 11:00~15:00(OS14:30)、
 17:00~21:00(OS20:00)
レストラン対月館
 11:00~15:00(OS14:30)
休み なし
ダイニング「集景亭」50席
料亭「集景亭」7部屋
レストラン対月館 100席
カード
駐車場 あり
URL http://www.ohana.co.jp/
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